【スラムドッグ$ミリオネア】インドの劣悪環境で生きる貧困の子供達

「【スラムドッグ$ミリオネア】インドの劣悪環境で生きる貧困の子供達」のアイキャッチ画像

【スラムドッグ$ミリオネア】インドの劣悪環境で生きる貧困の子供達

皆さんは、『スラムドッグ$ミリオネア』という映画を観た事はありますでしょうか?

スラムドッグ$ミリオネア』は、幼少時代にインドの「スラム」で育った主人公が、大人になって「クイズ・ミリオネア」という世界的に有名なクイズ番組に出演し、一攫千金を勝ち取るまでの軌跡を描いた物語です。

この映画の冒頭では、ムンバイのスラムでのシーンがあるのですが、たくさんの「子供達が困窮した生活をしている様子」が描かれています。

今回の記事では、『スラムドッグ$ミリオネア』を参考に「歴史的背景」や「カースト」の難しい話はさて置き、私が実際に現地で見てきた貧困の中で生きるインドの強い子供達について、生の情報をご紹介させて頂きます。

1. インドの現状はどんな感じ?

2022年現在、インドの人口は14億人を越えており、10年以内には中国の人口を追い越す見込みです。

インド経済は急速に発展していて、中間層の人達の生活は、給料格差はあれど日本人とあまり変わらない暮らしぶりのように感じます。

(ソース)在インド日本国大使館
https://www.in.emb-japan.go.jp/Japanese/Indian_Economy_r.html

一方、想像を絶する劣悪な環境で暮らしている最下層の人々は、依然として貧困から脱却出来ず、インドでの経済格差は広がるばかりです。

これにはカースト(ヒンドゥー教の身分制度)の問題が根深く絡んでいるようです。

2. インド社会最下層の子供達

スラムドッグ・ミリオネアの衝撃シーン

映画『スラムドッグ$ミリオネア』の中でも特に印象に残ったのが、歌の上手な子供が、寝ている間に眼球を潰されるシーンです。

その後、その子供は「盲目のシンガー」という形で道に立たされ、必死に歌を歌い物乞いをするのでした。

このシーンを始めて見た時には、本当にショックを受けました。

映画『スラムドッグ・ミリオネア』予告編

「この映画の描写は、インドでは本当に現実に起きているのか?」という事をインド人の友人に尋ねると、今でも行政などの手が届かない貧困層の村では、良く起こっている事だと言います。

このようにインドの最貧困層では、尊厳が傷つけられ、乱用され、日の目を浴びないながらも人生を必死に生きている子供達が現実にいるのです。

実際に見た衝撃な光景

2016年 バンガロール

2016年に、私が南インドにある「バンガロール」という街に滞在していた時の話です。

衝撃を受けたのが、物乞いをしている人達の中に、「身体が奇妙に変形してしまっている人」が多くいた事です。

両足が付け根から反対側に曲がっており、「スケートボート」を身体に括り付けて這うように動いている人を見ました。

そんな姿で交差点の所に寝そべって、街行く人に必死になってお金をせがんでいる姿が、今でも目に焼きついています。

何よりも一番驚いたのが、これらの奇形は「物乞いの際に同情を買えるように、本人が子供のうちに、大人が意図的に身体を変形させた」という噂です。

もちろん全てのケースでこれが当てはまるわけでは無いと思いますが、現実にそういう事は起きているとの事です。

3. 極貧の子供達に未来はあるか

インドにおける命の軽さ

私がインドに滞在していた際、インドでは人間の命の価値が低く扱われているのを強く感じました。

道路では車は我先にと割り込みをして、交通事故が頻繁に起こります

私もインド滞在期間中何度も轢かれそうな目に合っているし、オートリキシャに轢かれて血塗れで倒れている女性も目にしました。

もし自分が轢かれたとしても、犯人は逃げてしまうことも多いらしく、警察も頼りには出来ないです。

仮に犯人が逃げなくても、損害を保証出来る「保険」や「お金」を持っていない場合が多いので、轢かれてそれでお終いです。

子供達の尊厳が取り戻される日

写真はイメージです

インドに実際に訪れてみると分かるのですが、過酷な生活を強いられているストリートチルドレンは物凄く多くいます。

彼らは、孤児院などの他者からの支援を全く受けられずに、世に出ることなく一生を終えます。

これらの子供達の「尊厳」が取り戻される未来は、来るのでしょうか?

最下層の子供達の尊厳が回復するのには、インドの一人一人が他人の命の価値を重んじるまでになる必要があると思います。

これにはカースト(ヒンドゥー教の身分制度)の問題が根深く絡んでおり、まだまだ時間がかかると感じました。

インドだけではこの問題は解決出来そうも無いので、世界からの支援も必要だと思います。

4. インド孤児院でボランティアをしたときの話

インドの子供達に楽しみを届ける

インドにいた時の私は、その他のスタッフと共にバンガロール現地の孤児院へ訪問し、ゲームや遊びを通じて「現地の子供達に楽しみを届ける」ボランティア活動に参加しました。

  • ゲームや遊びを通じて、子供達と相互理解を深めること
  • インド文化を子供達から学び、子供達に日本文化を紹介すること

この2点をミッションとして掲げ、何よりも「恵まれない孤児達に楽しい時間を過ごしてもらう」ことを最重要視したイベントです。

イベントが始まった際は、子供達はやや緊張した様子でした。

「相撲」や「剣道」などの日本のスポーツを紹介する際に、言葉や写真による説明だけではなくユーモアを交えて実際に演技して見せると、緊張がほぐれて物珍しそうに興味を示してくれました

今度は子供達が、「カバディ」や「クリケット」などのインドで人気のスポーツを教えてくれたり、鬼ごっこをして遊んだりしました。

子供達とは、徐々に打ち解けることが出来たと思います。

現地の人の生活に触れる

子供達とのランチ会では、手を使って一緒に食事をしました。

知っている人も多いと思いますが、インドではほとんどの料理を右手を使って食べます

日本人には抵抗がありますが、インド人にとってはその方が食べやすいとの事。

それぞれの国の文化って、本当に面白いですよね!

孤児院でもなるべく相手の文化や生活水準に合わせることで、自分の知らない場所で強く生きている子供達の生活に触れることが出来たと思います。

5. インドの孤児たちの新しいイメージ

写真はイメージです

みなぎるパワー

この孤児院での子供達の様子は、訪問前に思い描いていた「貧しくて暗い」イメージとは全く異なりました。

将来の夢を持ち、たくさん食べ、よく学び、とても明るく暮らしていて、私自身がもっとしっかりしなくてはと、逆にパワーを貰った程に

私が訪れた孤児院「Courtesy foundation」は、インドで社会問題となっている子供の「人身売買」や「性産業」「ホームレス」などに対して、子供達に基本的人権を取り戻すために活動しているNGO団体です。

Courtesy foundation(ホームページ)

このNGO団体とこれまで携わったボランティアの人々や・寄付金により、この孤児院では組織的なサポートを子供達に届けられているので、子供達は良い生活環境を与えられています。

世間から賛同者を集められなければ、「Courtesy foundation」のような団体の活動にも限界があります。

インドの孤児たちが力に

インドの貧困の子供たちは、今後どうなるのか?

その中で私が一つ可能性を感じたのが、「Courtesy foundation」などの孤児院の子供達です。

彼らは決して裕福な環境で育った訳ではありませんが、しっかりと勉強をしていて、何よりも特筆したいのが、彼らが英語を流暢に使いこなしていた事です。

将来は日本の子供達よりインドの孤児院の子供達の方が、よっぽどグローバルに活躍するポテンシャルを秘めていると思います。

根拠は全く無く勝手な事を言うようですが、彼らが大人になった時に世界を巻き込んで色々な問題を解決していく力になる、という気がしてならないのです。

おわりに

今回は真面目な話をさせて頂きました。知識は薄いですが、現地で見た生の情報をお伝えする事が出来たと思います。

世界には日本では意識することが無いような様々な問題に直面している人がいます。

そのような人々に対して貢献していくことがLife Lingテーマであり、本ブログでも積極的に情報発信させて頂こう思います。

インドでは物乞い深刻な差別を目撃することが多々あります。

しかし普段日本で生活している分には、遠く離れた国や地域が抱えている問題を深く思考することはあまりありません。

それらの人々の生活が少しでも良くなるように貢献していく事が、先進国に住む豊かな日本人が考えなければならない事だと思います。

今後は表面的な貢献ではなく、影響を与える範囲のその先にいる人たちを意識し、仕事やボランティアにも力を入れて行こうと思います。

スラムドッグ$ミリオネア』、ぜひ観てみてください!

以下に今回の記事の動画バージョンも作っているので、ぜひチェックしてみてください。

今回はこの辺りで。

それではまた!