東京の浅草から災害に強い・弱いエリアと危機管理の方法を紹介

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東京の浅草から災害に強い・弱いエリアと危機管理の方法を紹介

日本を襲った「東日本大震災」から、今年は9年目となります。

東日本大震災からは、特に「地震」や「津波」の対策について、その重要性を改めて考え始めた人が多いと思います。

危機管理を学ぶには、どんな危険が待ち構えているのかを理解し、それに対してしっかりと準備をすることが大切です。

今回の記事では特に東京の浅草を例に、住むエリアに潜んでいる危険やそれに対する危機管理について、紹介します。

今回紹介する内容は『地名に隠された「東京津波」』という本を参考にしています。

ぜひチェックしてみてください。

1. 住みたい場所の地形を調べよう

住む場所を決める際に何を考慮する?

どのエリアに住むかを決める時、皆さんは何を重点的に考慮しますか?

「価格」はかなり重要なファクターであって、通勤などの「利便性」などももちろん考慮されます。

しかし、何よりも大事な事は「安全な場所に住む」ということだと思います。

住む場所の安全性とは治安ではなくて、今回の記事では「災害」に対する安全性について考えてみたいと思います。

東京の山手エリアと下町エリア

東京都都心部の高低を表した図
赤いほど海抜から高く(山の手)、青いほど海抜から低い(下町エリア)
下記ページにて一般公開されていますので、参照ください。
(参照:国土交通省、デジタル標高地形図「関東」

東京を例に見ると、実は災害に対して安全な街とそうでない街が、かなり明確に分かれています

専門家ではないので詳しい事は言えませんが、東京は大きく分けて砂が堆積して出来た「下町エリア」と、強靭な岩盤で作られている「山の手エリア」に分かれています。

当然、山の手エリアの方が地盤は安定していて、「震災」や「水害」に対して強いです。

下町エリアは海抜が0メートル以下の場所もあり、川の堤防が決壊すると水害が発生したり、地盤が緩く建物の倒壊リスクもあります

すなわち、地盤の固さや海抜は、地震や水害から身を守るために絶対に考慮するべき要素です。

エリアの危険度は数字で確認できる

ランクが高ければ高いほど、危険性が高い
(参照:東京都都市整備局、地震に関する地域危険度測定調査 地域危険度一覧表(区市町別)

紹介した国土交通省の「標高地形図」だけでなく、上の図の通り、東京都では「地域危険度」を公表しています。

浅草を例に見ると、浅草寺がある「浅草2丁目エリア」は、建物東海の危険度が高い事が分かります。

地盤まで調べている人は多くないかもしれませんが、地盤の良し悪しはその上に建てた建物の資産性にも大きく左右します。

六本木などの土地が高いのは、ブランドが理由ではなく、高台に位置し地盤が安定している事が一番の理由です。

いま一度これらの情報を使って、自分の住もうとしている(あるいは住んでいる)エリアの土地の情報を調べてみましょう!

2. 日本は地名でその場所の地形が分かる?

よくある地名に土地柄が現れる

浅草浅草寺雷門
昔このあたりは浅瀬で草が生えていた?

実は日本は、地名で地形が分かってしまう事が多いです。

地形が山になっている場所は「」や「」などの地名があり、下町には「」「」「」といった地名が多いです。

そしてその2つを結んでいるのが、「」です。

例えば「浅草」の場合、その地名から、「浅瀬に草が生えていた」といった情景が容易に想像出来ます。

(※浅草の名前の由来には色々な説があります)

浅草周辺の地名は?

稲荷町、田原町、などが近くにある。昔このあたりは水田が広がっていた?

また、浅草の周りには田原町の「田」や、稲荷町の「稲」など、田んぼを思わせる地名が多く、そのエリアの地盤は緩そうだと想像出来ます

そして、さらに浅草より東に目を向けてみましょう。

江東区や江戸川区では、今度は「亀戸水神」「大島」「砂町」「船堀」などの地名が出てきて、水や海を連想させる地名となってます

それもそのはず、この辺りは元々は海で、「島」や「海岸」があったエリアなのです。

このエリアが海に近い場所であったことは、『名所江戸百景』の絵でもみて取れます。

広重『名所江戸百景』より「砂むら元はちまん」(現在の富賀岡八幡宮)
その昔、江東区の南砂は海だった(出典:Wikipedia)

このように、地名に土地の様子が現れているのは、昔の人が経験したその場所での出来事を後世に伝えるためでもあります。

地名を参考にすれば、その場所で起きやすい災害などの特徴を捉えることにも繋がるので、住む場所を検討する際は地名にも敏感になって下さい。

これら東京の地名について詳しいことは、『地名に隠された「東京津波」』という本が参考になりますので、良かったら読んでみて下さい!

本を読むならかさばらずにストックのできる「Kindle」を使うのがおすすめです。

Kindleを使えば、本屋に行かずとも指一本で購入する事もできるし、単価は紙の本よりも安いです。

私は「Kindle Oasis」を使っていますが、軽くて読みやすく、超おすすめです。

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3. 災害の際の避難ルートを知っておこう

浅草の場合の避難ルート

安全な場所に住むだけでなく、実際に事が起きた際に安全な場所へ逃げれるルートを、確認しておきましょう。

浅草の例の場合、浅草は海抜が低い場所にあるので高い丘の上まで避難しなくてはなりません。

浅草エリアの場合は、災害の際の避難場所の1つは「上野公園」となります。

浅草周辺は砂で出来た土地で、平らな道路が続く

浅草から上野までは2キロ以上あり歩くと30分くらいかかりますが、これが近いか遠いかは、人それぞれだと思います。

大事な事は、避難場所へはどの程度の時間がかかるかを認識し、避難計画をシミュレーションしておくことです。

歴史的に危険が多かった下町エリア

浅草エリアには、「東京大空襲」の名残がたくさん残っています。

東京大空襲の際に、浅草エリアで隠れていた多くの人は焼死してしまいましたが、上野公園まで逃げた人は助かった人が多かったようです。

上野公園は高台となっていて、下町よりは昔から比較的に安全な場所とされていたのでしょう。

浅草の隣の隅田公園にある慰霊碑
隅田川の「こととい橋」の支柱は東京大空襲当時の物
黒い部分は当時の火災の強さを物語っている

上野公園が、必ずしも安全なエリアとは言い切れません。

しかし、各自治体が決めた避難エリアを明確に把握し、そこに逃げるまでの避難ルートをシミュレーションしておき、危険を回避できるのかどうかを、自分自身で確かめることが大切です。。

おわりに

今回の記事では特に東京の浅草を例に、住むエリアに潜んでいる危険やそれに対する危機管理について、紹介しました。

災害対策は、あらゆることを想定して突き詰めて考えることが大切です。

「避難経路」の把握や「災害グッズ」の確保など、身を守る為にあらゆる手を尽くしましょう。

歴史をさかのぼることは、災害対策をする上で大切なことです。

まさに9年前に発生した東日本大震災では、多くのことを私たちに教えてくれます

過去に失った大切なものを無駄にしないためにも、東日本大震災を教訓に徹底した危機管理をしましょう。

このブログでは、留学・英語スキルアップ・海外ビジネス・海外旅行など、皆様の為になるグローバルに関する様々な有益情報を発信させて頂きます。

今回はこの辺りで。

それではまた!